非常用持ち出し袋(台湾では「緊急避難包」と呼びます)は、家を離れて避難するときに持ち出すものを入れた、背負えるリュックです。台湾の國防部全民防衛動員署が公開している「全民安全指引」(国民向けの安全ガイド)は、1人に1つ、少なくとも1〜3日分を用意するよう勧めています。このページでは、國防部と內政部消防署(台湾の消防庁にあたる機関)の公式リストを日本語でまとめ、置き場所と点検の頻度も説明します。
持ち出し袋と自宅の備蓄は、どう違う?
持ち出し袋は、家が安全でなくなり、離れなければならないときに持って出るものです。1人ずつ、少なくとも1〜3日分を用意します。
自宅の備蓄は、家にとどまるときに使います。家族単位で少なくとも7日分、水は1人1日3リットル以上です。
どちらも必要です。持ち出し袋のほうが小さく、費用も少ないので、まずはこちらから始めましょう。
持ち出し袋には何を入れる?
國防部の推奨リストを、8つのグループに分けて紹介します。一度にそろえなくて大丈夫です。まずは家にあるものから入れてください。
水と食べ物
- 飲料水:600mlを2本
- 調理不要の主食:缶詰、レトルトごはん、米菓、乾パン
- エネルギー補給のおやつ:栄養バー、ドライフルーツ、ナッツ、チョコレート、飴
常温で保存でき、傷みにくく、食べても喉が渇きにくいものを選びます。
衛生用品
- マスク、ティッシュ
- 除菌ウェットティッシュ、アルコールスプレー
- 生理用品(必要な人)
- 小さめのタオル
- 簡易浄水器
医療用品
- 傷薬、基本的な包帯やガーゼ
- 常備薬、処方薬
- メガネ、使い捨てコンタクトレンズ(必要な人)
- 体温計
明かりと連絡手段
- 懐中電灯またはヘッドライト(電池も)
- 笛:閉じ込められたときに助けを呼ぶため
- 携帯ラジオ:ネットがなくても情報が入ります
- 紙の避難地図と連絡先:家族で決めた集合場所、家族や友人の電話番号、政府の緊急連絡先。外国籍の人は、自国の在台窓口(日本の場合は日本台湾交流協会)の連絡先も書いておきましょう。
防寒と暑さ対策
- 軽いレインコートと上着
- 保温シートまたは小さめの寝袋(アルミブランケットなど)
- 帽子、傘、日焼け止め
身分証明書と現金
- 身分証明書、健保カード(全民健康保険のカード)、通帳のコピー。外国籍の人は、パスポートと居留証(ARC)のコピーです。
- 少しの現金
コピーは紙でも、スマホに保存した写真でもかまいません。紙のコピーは防水のジッパー袋に入れます。
電源
- 乾電池(サイズを確認)
- 充電ケーブル
- 充電済みのモバイルバッテリー
- 小型の手回し発電機
そのほかの道具
- 作業用手袋(切れにくく、すり切れにくいもの)
- ビニール袋
- ヘルメット(リュックの外に付けておくと便利)
- 紙とペン
- くり返し使える食器
- ライターまたはマッチ
- 十徳ナイフ、缶切りなどの小さな道具
- 歩きやすい靴
水はどのくらい用意する?
持ち出し袋には、1人あたり600mlを2本です。これは國防部の推奨です。
消防署は別の目安も出しています。1日に最低限飲む水の量は、体重1kgあたり15mlです。体重60kgの人なら、1日約900mlです。
自宅に備蓄する水はずっと多く、1人1日3リットル以上です。ペットボトルの水には期限があるので、買ったら日付を書いておきましょう。
子ども、高齢者、ペットがいる場合は?
- 乳幼児:粉ミルク、哺乳瓶、紙おむつ
- 高齢者:高齢者向けの食品、入れ歯洗浄剤、補聴器の電池
- 持病のある人:用意する日数分の薬と、薬袋か処方箋のコピー。電気が必要な医療機器は、予備の電源も用意します。
- ペット:ペットフード、トイレ用品、リード、飼い主の連絡先
1つのリュックに入りきらなければ、持ちやすい別のバッグを使いましょう。避難のときに持ち出せれば大丈夫です。
どこに置く? 重さはどのくらいまで?
ふだん取り出しやすく、逃げるときにいちばん持ち出しやすい場所、たとえば玄関の近くに置きます。家族全員が置き場所を知っておきましょう。
リュックは、背負って歩ける重さにします。目安は男性15kg、女性10kg前後です。自分の体力に合わせて調整してください。
寝室のベッドのそば、車の中、職場の引き出しに、小さな袋を別に用意しておくのもおすすめです。
どのくらいの頻度で点検する?
半年に1回です。國防部と消防署のどちらもそう勧めています。リュックの外側に点検した日付を書いておくと、次の点検を忘れません。
中身には期限を書いておきます。期限が近い食べ物は先に食べて、新しいものを補充します。壊れたものは交換します。
点検のついでに、モバイルバッテリーを充電し、乾電池が液漏れしていないか確認しましょう。家族の薬が変わったり、子どもが成長したりしたら、中身も見直します。
Kukuでどう準備する?
Kuku 防災助手の「備え」タブには、無料の「1日分の必需品」リストがあります。人数を入れると、数量を自動で計算します。たとえば2人なら、600mlの水が4本です。
1つずつチェックでき、チェックはあなたのスマホにだけ保存されます。毎月の点検リマインダーもオンにできます。
避難地図に書き込む避難施設は、Kukuで自宅と職場の近くを何か所か探しておきましょう。探し方は「台湾在住者向け、防空壕(防空避難施設)の探し方」をご覧ください。
1日分のリストは出発点です。公式の目安は、持ち出し袋が少なくとも1〜3日分、自宅の備蓄が少なくとも7日分です。3日・1週間・2週間・1か月分の完全版リストはKuku Plusで使えます。買い切りで、定期購入ではありません。
このリストの出典は?
國防部全民防衛動員署の「全民安全指引」のうち「準備緊急避難包」と「日常居家儲備」の2ページ、內政部消防署の「緊急避難包準備清單」をもとにまとめました。いずれも中国語のページです。「全民安全指引」には英語版のPDFもあります。
消防署のリストには1日分・2日分・3日分の3種類があり、ダウンロードして印刷できます。
公式の内容は更新されることがあるので、公式サイトを優先してください。このページは2026年9月に公式サイトと照合しました。